サラリーマンの投資と仕事研究所

サラリーマンのビジネス手法研究とその実践記録

マイナス金利ってなに??ぼんやりはわかるけれども、きっちりと調べてまとめてみました

f:id:kazooloop:20160202135846j:plain

 

日銀のマイナス金利とは

日銀のマイナス金利発表による影響はどのようなものなのでしょうか。

・私たちの預金の金利がマイナスになるわけではない
・一般の銀行が日本銀行に預けているお金に対する金利がマイナスになる(= お金を預けるだけで預金が減っていく)
・一般の銀行は日本銀行に預けず、もっと融資を増やすようになることが期待される
・世の中に出回るお金が増え、円安になることが期待される
・円安になれば日本の輸出産業が潤うことが期待される

 

一般銀行が日銀にお金を預けておく時の金利を"マイナス"にしますということです。銀行としては、今あるお金を民間企業や人に貸し付けなければ、マイナス金利となり手持ち資金が減るために、お金を民間企業や人に回すという流れが期待されています。

民間企業や人にお金が回れば円の供給が増えるため、円の価値が下がることから円安方向に動きます。円安になれば、輸出企業や国内観光や国内での販売が活況になる。

と、このような流れを期待しているようです。

個人的には、銀行にとってみれば預金を集めても余ったお金はマイナス金利になります。つまり銀行の民間企業や人への貸し出しが進まない場合には、預金を集めるメリットが薄くなることが考えられます。最終的に預金額を絞り込むために、銀行口座維持手数料の引き上げやATMの引きだし手数料の引き上げなどの改悪が進まないか、もっと言うならば銀行に預けるお金もマイナス金利がつくようにならないか心配しています。

今回の日銀でのマイナス金利は日銀当座預金の一部に限られるため、一般銀行に預けるお金のマイナス金利導入の心配ないというのが日銀のスタンスのようです。

 

潤う業界と厳しい業界

業界の説明については、以下のブログが詳しいです。

かいつまむと有利に働く業界は、不動産、観光で悪影響があるのは銀行や保険業界という事でした。

記事にも言及がありますけれど、大事なのは1次的な影響と2次的な影響に分ける事です。1次的な影響とは"金利が安くなる"影響、2次的な影響は"円安影響"です。

・金利が安くなる(有利:不動産、不利:銀行、保険)

一般銀行が日銀に預ける金利がマイナスになれば、銀行は金利が安くても民間企業や人にお金を貸して、手持ちのお金を減らすことを考えるでしょう。

従って、金利は安くなるのです。金利が安くなるということは住宅ローンなどのローン金利も安くなるので、不動産業が活発になると読んだ人が増えたので不動産企業の株がドーンと上がりました。

個人的には金利の低い預金から株式へのシフトも少しは進むのではないかと思います。

・円安影響(有利:輸出産業、観光産業、不利:輸入産業)

だいぶ語りつくされた感がありますが、民間企業や人にお金が多く出回ること、利率が低い事から円を売って、他の利率の高い外国通貨を買う動きが加速すると思われます。特に今、アメリカは景気が良いですし。

それによって、円は売られるので安くなり、相対的に他の外貨が高くなるとそういう仕組みです。

輸出企業や観光業が有利になります。今は原油や様々な原料の価格がそれほど高くないので、一時期声高に言われていた原燃料代金の高騰によるダメージもそれほど深刻な影響を与えないと考えられます。

今後マイナス金利が拡大する事はあるのか

マイナス金利をサポートする発言が目立ちますが、元日銀総裁の岩田さんの意見が参考になります。

岩田さんの話では、タンス預金(銀行に預けず、自分で持っておくこと)のコストが約2%であるため、-2%くらいまでマイナス金利が拡大することは可能性としてあるのではないか、とテレビ番組でコメントされていました。

そんなに効果的な政策なら、なぜこれまでやらなかったの?

先述したように金融機関に打撃を与える政策だからです。

2016年1月29日の政策決定会合で日銀は、従来の量的・質的金融緩和に加えて、マイナス金利を導入する新機軸を発表した。従来は、マイナス金利を始めると金融機関の経営にダメージを与えるので望ましくない、と慎重姿勢を貫いてきた。それを前言撤回する形でのマイナス金利導入である。

株価の下落や量的・質的な金融緩和の余地があまりないことを見透かされるとインフレ予想が消え、デフレからの脱却が遠のくと踏んでの実施だったと思われます。

だいぶ金融緩和やったのに、中国影響で株価が大きく下落したので、何か他の手をと考えたのだと思われます。

マイナス金利の前例はあるの?

ヨーロッパで導入されています。

景気の低迷や債務危機で揺れるドイツ、フランス、スイスなどのヨーロッパ諸国ではマイナス金利を導入する中央銀行が増えている。金融機関が企業や個人に貸し出す金利はマイナスにはならないが、従来より下がるとみられている。また、預金者の流出を恐れる銀行が多いため、ほとんどの個人預金はマイナス金利には陥っていない。

 

年初来の株式マーケットの混迷を受けてECBはさらなる金融緩和を模索していますから、場合によってはこのマイナス金利はさらに程度が進み、さらに預金者の負担が増える可能性が考えられます。

中央銀行の狙いとしては、マイナス金利を嫌った預金者が資産を預金から株式のようなリスク資産へと移すことで株価が上がるようになれば一番いいのですが、それはなかなか簡単にはいきません。

なぜなら昨年末から株式市場のボラティリティインデックスが上昇しているからです。ボラティリティインデックスとは別名「恐怖指数」と呼ばれる指標で、株式市場の変動リスクをより多くの人が感じているとその指数は上昇します。

 現金のリスク資産への移行は有効に働いていないようです。

ローンの貸出もマイナスになっている国(お金を借りれば借りるほど、返済金額が安くて済む)ごく一部であるようで、スゴイ世界だなと思います。

まとめ

・マイナス金利は、一般銀行が日銀の口座に預けるお金の一部の金利をマイナスにする政策のこと。

・マイナス金利によって、一次的には銀行、保険業界の収益を圧迫するものの、不動産業界の収益拡大が期待できる。また円安効果もあるので、輸出企業や観光業等に良い影響が期待できる。

・今後-2%くらいまではマイナス金利が拡大するとの意見がある。

・これまで、日銀は銀行の収益悪化につながる事からマイナス金利の採用を見送ってきたが、金融の質的・量的緩和が手詰まりになってきたため、今回マイナス金利の採用に踏み切った。

・ヨーロッパでは先にマイナス金利が導入されているが、一部で一般銀行の金利や住宅ローンがマイナスになる等の影響が出ている。